ど素人おじさんの報告書WP

悲しいかな、我々「おじさん」の世代はかなりヤラレっぱなしのキビシイ状況が続いています。 しかしながら、まんざらすてたもんでもない部分も多少なりともあるはず。

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NECのノートパソコンVersaPro PC-VJ23TMZGUの液晶パネル交換 今回は人柱感が大です。

   

こんなサイトを運用していると勘違いされて時々ノートPCの修理の依頼もありますが、基本的にはお断りしています。
とは言っても義理人情の世界にどっぷり浸かっているので、やはり例外的に引き受ける場合もあります。

ノートPCの修理の依頼のほとんどは破損液晶パネルの交換です。修理屋さんの相場は35,000円以上はするみたいですね。
依頼主さまには「外付けでモニターを買ってきて使えばいいじゃん。たぶん安くつくし」とアドバイスしますが、なぜかみなさんそれでも頼んでくるんですね。はっきり言ってノートPCの修理はめんどくさくてリスクが高いです。さらに同じメーカーでも互換性が無い場合も少なくなくてウンザリです。作業以前の下調べも大きな労力ですね。

ところで本題です。
お預かりしたパソコンは画像のように液晶が割れています。モニターを閉じるときにペンを挟んだようです。無残です。
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依頼主は何件かの修理屋さんに見積もりをしてもらったみたいですが、なんと、どこも7万円以上の提示だったようです。
たぶん、巷のノートPCに比べて超高解像度でなおかつ薄型ということで液晶パネルがバカ高いか、あるいは修理がまるごと筐体ユニット交換なのかも知れませんね。

分解前の事前調査

VersaPro PC-VJ23TMZGUの分解情報は2018/6/6現在でNET上で見つけることは出来ませんでした。ここでリスク1です。手探りで何もかも進めなければなりません。これはかなり痛いです。今回は私がついに「人柱」となるわけです。もちろん液晶パネルの特定なども全く出来ません。

この商品は通販専用のビルトインオーダーの可能性があります。したがって市場に出回っているものが少ないかもしれません。あるいは2017年7月出荷商品なのでまだ事例がないのかもしれません。通販サイトの事例では基本筐体が69,800円(税込:75,384円)、オプションのディスプレイの選択では価格が34,600円(税込:37,368円)となっています。
超薄型で超高解像度14型ワイドTFTカラーIPS方式液晶(フルHD:1,920×1,080ドット LEDバックライト ノングレア)がウリでCOREi5の高性能マシンです。
OSはWindows10Pro64ビットだし、ステレオマイクとWebカメラもついてるし、MSofficeも搭載されてるし、購入時はおおむね20万円を軽く超えた可能性があります。かなり高価なノートPCと言えるでしょう。

ちなみにこの通販サイトに問い合わせたところ、税別21,000円の保証サービスに加入していた場合で1回につき5000円の受付料で1年目だったら限度額90,000円の100%で、2年目で83%、3年目で64%の補償が受けられるそうです。なお、1回の補償につき補償額が60%づつ縮小していくそうです。
ところで、今回の液晶割れのケースで保証に入っていない場合どのくらいかかるのか?訊いたところ即答で90,000円と言うことでした。つまり満額です(汗)。購入時のディスプレイ選択オーダーの価格ではないようです。

それとダメもとでマシンの分解のための展開図やサービスマニュアルを要望しましたが、キッパリと断られました(大笑)。

大切なマシンは保証サービスの加入が大事ですね(私は絶対に入りませんけど:)

なおかつこのパソコンはバッテリーがカートリッジ式でなく、内蔵固定型です。ということでさらにリスク2です。液晶パネル交換作業はバッテリーの取外しをしてから行わないとショートなど何が起こるか解りません。ここで、ディスプレイ部分以外に本体分解作業が確定です。

モニター部分をくまなく確認しましたが、ネジがありません。お約束の隠しネジもありません。
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ヤバイですね。これでは分解すら出来ない可能性があります。無理に行うとふたを破損(割れ)する可能性もあります。ということでさらにリスク3です。ノートPCの修理はでこういうところが一番イヤですね。

以下が大まかなリスクです。

  1. PC-VJ23TMZGUの分解情報がない(見つからない)。
  2. バッテリーが内蔵固定で、作業前に本体分解して取外しが必須。
  3. モニターカバー部分にネジが使用されておらず、分解時に破損(割れ)のリスクがある。

先が思いやられます。

本体の分解

先に述べておきますが、「キーボードのはずし」は今回のディスプレイパネル交換には必要のない工程です。おそるおそる進めたため、惑わされて横道に逸れた工程です。ただ、今後キーボード交換の参考になるかと。。

本体背面のネジをはずす1

画像は本体背面です。
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赤丸がネジ5ヶ所です。赤三角2ヶ所は隠しネジと思われましたが、ダミーです。赤四角は何らかのロックの大き目のプラスチックネジですが不明です。

で、赤丸ネジ5ヶ所を緩めましたが、ネジが抜けません。背面カバーを外そうとしましたがうまくいきません。少しは隙間が出来ているのですが無理に外すと破損しそうです。さらに、赤四角はのプラスチックネジも回してみましたが変化がありません。

ここは、いったん中断です。
キーボードの裏に何らかの手がかりがあるかもしれないので、次にそこを攻めてみることにしました。

注)作業の工程としては「キーボードを外してみる」の項目を飛ばして「本体背面のネジをはずす2」に進めば効率的です

キーボードを外してみる。(この工程は今回は必要ありません。おまけです。)

この手のキーボードの外しは経験があります。Lenovoが多いですね。
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赤丸2ヶ所の部分にミゾに小さめのマイナスドライバーなどを引掛けて上部へスライドさせます。

すると、ネジが出現します。
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赤丸の6ヶ所となります。

キーボードを外してみると、ハズレでした(涙)。
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もちろん今回はケーブルを外すことなく、元に戻します。

完全な徒労でしたが、キーボード外しの手順でした。
気を取り直して、再び背面カバーを攻めてみます。

本体背面のネジをはずす2

背面カバーが外れずやや途方に暮れていました。無理に進むと破損の可能性があるからです。ノートPCは独自の噛み合わせなんかがあるのでイヤですね。無理は禁物です。
ただし、カバーの開きの4mm程度の少しの隙間は開くことができました。

試行錯誤の末、気付きました。このはずしにはコツがあります。
画像のように少しの隙間に指を突っ込み、
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ネジに下から圧を加えて空回りをさせないようにしてドライバーを回せば、外れるのです。
これは完全なトラップですね。見事にやられました。

ちなみに、ネジは以下画像のような形をしており、先太りの形状です。
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ネジを空回りするほど緩めても、引っかかって背面カバーが簡単に開けられない役割を果たしています。
このようなやり方は素人に簡単に介入させないというスタンスかも知れませんね。ちょっとした意図を感じざるおえません。

あとPC-VJ23TMZGU本体背面カバーを外す大事な注意点として、

ディスプレイのヒンジ側の部分から外して、次に両側面へ外して行くのが正解と思われる。
少なくともディスプレイのヒンジ側ではなく、タッチパネル側から外すと、おそらく破損すると思われる。

があります。

これでやっと背面カバーOPENです。

まずは作業前お約束のバッテリーを外しです。

画像は背面カバーを外した本体内部です。
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なんと、バッテリーが二つもあります(赤丸)。これは驚きです。
勉強不足なのでしょうが、こういうパターンは見たことがありません。
リチウムイオンバッテリーはLenovo製です。
ちなみに、上述の保証サービスにバッテリー交換も対象か?は未確認です。

三角印はカバーが閉まっているかどうかの安全スイッチのようです。
下画像赤丸が拡大図です。細いので折れて破損しないように注意が必要です。
下の画像は拡大したものです。
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本体カバー裏右、ヒンジのそばにある謎の大き目のプラスチックネジ(赤丸)ですが、何かを外すことは間違いないのですが、謎です。
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今回はリスク軽減のため、スルーです深追いをしません。

バッテリーはネジを外して、配線接続部にビニールテープが貼られているのでこれを剥がして上に持ち上げるようにすると外れます。
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この手順でバッテリーを2つとも外して、30分放置します。
かなり薄い物体で、厚みはいずれも5mm以下です。
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放電のためのバッテリーの30分放置は、あるいは必要でないことかもしれません。
諸説ありますが、おまじない的なもです。

本体からディスプレイモニター(ふた)を外します。

後から振り返ると、もしかすると、この工程は液晶パネルの外しが出来れば必要ないかもしれません。あくまでも出来ればの話ですけど。

バッテリー30分放置の間、モニターの左右ヒンジ部分を確認します。
右側です。
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右のヒンジから2つのケーブルが伸びています。
1つは下方向に重要なケーブルが赤丸印2ヶ所に刺さっています。なおこのケーブルは他のケーブルに干渉しているので、赤三角の部分を外さないと先に進めません。
もう1つは上部背面にアンテナケーブルが左ヒンジ側へ長く伸びています(赤線)。

左側です。
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左側のヒンジからもケーブルが2つ伸びています。
2つとも下方にケーブルが伸びています。
1つは重要なケーブルで赤丸印に刺さっています。
もう1つはグレーのアンテナケーブルで、右ヒンジから上部背面から伸びてきた黒いアンテナケーブルと共にWI-FIユニットらしき部分に刺さっています。
厚めの柔らかい半透明プラスチックカバーに防御されています(赤三角印)。軽くカバーを曲げてアンテナ線2本は細かい同軸ケーブルソケットで繋がっているのですぐに外せます。

左右のケーブルを慎重に外して、ヒンジのねじを外します。
右側
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左側
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で、やっとデイスプレイ部分の外し完了です。
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いよいよ液晶パネルの外しです。

液晶パネルの外し

再度デイスプレイ部分(ふた)を確認しましたが、やはりネジらしきものが見当たりません。これは接着の可能性が大です(汗)。

接着されていることを前提に、目立たない部分として下部の継ぎ目に小さめのドライバーを差し込みます。
こういう作業はイヤですね。
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勇気を持って隙間を広げていくと、やはり両面テープの接着です。

慎重にがんがん剥がしていきます。破損しないように注意深く行います。
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四隅の固定ねじを外して、帯状のケーブルを外して
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やっとパネルはずし完了です。
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ここで液晶パネル背面裏のラベルから液晶パネルのモデル名がようやく特定です。
しかし、あまり日本では出回っていない感じです。情報がほとんど皆無です。
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Amazonでも入手できます。個人輸入代行のサイトでも手に入りそうです。
新しい14.0インチLED LCD FHD画面表示AG AU Optronics b140han02.4 H / W : 0 a F / W : 1

バッテリーを外した状態で、仮組みで液晶パネルの到着待ちです。
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液晶パネルの装着

ようやく、注文の液晶パネルが到着しました。注文から18日かかりました。まだ日本には部品が出回っていないようで、オークションにさえ出品されていないので仕方ありません。
たかが薄い液晶パネルですが、梱包は厳重でした。
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梱包を解いてみると
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上部ネジ受けがつぶれて曲がっています。やばいなー。

モデル名の表記もあやしい感じです。
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「b140han02.4 H / W : 0 a F / W : 1」の表記がどこにもありません。
納品書も入っていませんでした。これは、ますますヤバイなぁ。

気を取り直して、ネジ受けを伸ばして修正してとりあえず装着です。
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あとは、裏カバーを外しバッテリー2個を装着し組み立てます。

そして、運命の電源ON
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成功です。

取り合えず、業者に本当にこの液晶パネルは同じものかと確認しましたが、相違ないとの回答でした。
何だか今一つ納得できない感じですが、IPSの高解像度のものには間違いないことは確かでした。

というわけで、今回ラッキーに終わりましたが、まだあんまり出回っていない部品を輸入代行業者に頼むのは怖いと感じました。

参考にされる方はあくまでも自己責任でお願いします。

 - PC関連, 番外DIY

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