ど素人おじさんの報告書WP

悲しいかな、我々「おじさん」の世代はかなりヤラレっぱなしのキビシイ状況が続いています。 しかしながら、まんざらすてたもんでもない部分も多少なりともあるはず。

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低コスト本棚

      2015/03/15


今さら本棚の作成の公開なんて、と言う感じなのですが、
娘が中学生となった頃、手持ちの書籍が急激に増えてしまいました。コミックマンガの購入も拍車をかけていました。

もともと、娘はゲーム雑誌の投稿マニアであったため、バックナンバーの保管分もかなりの量になっていました。
できれば、女の子仕様なので、デザイン重視で行きたいのですが、悲しいかな技術が足りません。
結局はコスト優先になってしまいました。

考えてみれば、今回始めてミリ単位の?失敗が許されない本当の木工を行なったような気がします。
今までは大きいものを大雑把に作っていましたが、今回は私にとってはかなり神経を使ったものになっています。
(熟練者の方から見れば、笑われる次元のものかもしれませんが)

この本棚のデザインは、実は私自身かなり気に入ってます。その後4台ほど今回のやり方をベースに作成し、喜んでいただきました。不要な鉛筆の利用も喜ばれていました。

要望と設計(ラフ)

娘の要望は、壁一面を本棚にしたいと言う要望でした。
議論の末、大きさは

高さ180cm、横150cm、奥行き、30cm以下

という結論に達しました。
以下はラフなスケッチです。

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柱材は基本的には2×4材(SPF)で黄色の部分がコンパネ材を想定しています。
棚板は以下の図のように柱部分に10ミリ弱程度の穴をあけ、10ミリの丸棒を突っ込んで棚板を支えることをもくろんでいます。

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現在の見積もり段階では
1)コンパネ(12ミリ×1800ミリ×90ミリ)—3枚
2)2×4材(1800ミリ)—9本
3)丸棒—-2本?
となっており、どんなに高く見積もっても8,000円くらいで出来そうな感じになっています。

次にに実際の各店舗にて材料の調査と検討を行い、基本的なデザインは変えずにさらにコストダウンを行いました。
今回は1×4材を利用して再度構成のやり直しを検討しました。

なお、背面や天板や底板に使用する予定コンパネはホルムアルデヒド放散等級が「F☆☆☆☆」以上のものが、しばらくの間1,000円以内で購入出来そうもないため、見送ることにしました。

また、今回は今後の経験のために「ダボ」もしくは「ビスケット」に挑戦して、板の接合に挑戦してみることにしました。
以下が最終的な図面になりました。

高さ180cm、横150cm、奥行き17cmのシンプルな構造です。

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横方向のグラツキに弱い可能性がありますが、そのときは横板を1枚支えから上下の2枚支えに変更する予定です。

使用する板は基本的に全て平行に「ダボ接合」して1×6サイズ幅板のようにして使います。
今回初挑戦で、わけもわからず1.9ミリ幅の板に「8ミリ幅のダボ」を使用することにしました。今回の経験が、以前作成したテーブル上板の「本当の隙間ゼロの接合」に生かせればいいなと思っています。

棚板の支えもダボのチップを使い汎用的にします。同様に8ミリ幅のものを使用してみました。
イメージは以下の感じになります。右に天板が突き出しているところがご愛嬌です(笑)。
つい、なるべくもとのままの素材を残しておきたい(再利用)というのがあります。貧乏性ですね(笑)。

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棚板は、なるべく文庫本やコミック漫画のサイズを意識した形で取り付けられるよう、「ダボ用横穴」を空けるように考えています。
今回の購入費用は以下のようになりました。
まあ、買うよりはずっと安いような気がします。

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また、今回別に8ミリドリル刃700円と
ダボガイド1,180円を購入しました(下画像)。
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なかなか、便利そうな道具です。
今まで敬遠していた分野で、これからが経験となります。

今回は、板が短くカットされているため、すべて自家用車で持ち帰ることが出来ました。
次はいよいよ実作業になります。

実際の作業状況その1

今回の作業の段取りは

0)素材のテスト(強度、穴あけによる「割れ」など)
1)基礎構成部分の側面、中央、天板、底板の切り出しおよび、ダボによる「板の平行2枚あわせ」
2)棚板をダボで支えるための、基礎構成部分の側面中央の穴あけ。
3)基礎部分を設置現場で組み立てて調整を行なう。
4)完成・お好みの位置に棚板をセッティング。

という形で進みました。

試に素材のテスト(強度、穴あけによる「割れ」など)行いました

1×4材を今回始めて使用するため、強度、穴あけによる「割れ」などを感覚的に把握する必要があると思いましたので、試してみました。また、このときダボ穴空けの練習もしてみました。
ダボ穴あけの補助具は、板の真中に穴を正確に空けることが出来ます。
この器具は、6ミリ、8ミリ、10ミリのドリルに対応しています。
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1×4材の厚さは19ミリですが、8ミリダボ用の穴あけをしても「割れ」など問題ないようです。
当初、何の知識もない段階で下の画像のような垂直穴あけ補助具を利用しようと考えていましたが、

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作業を始めようとする直前に、不注意から落下させてしまい

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のように支柱が根本からポキリと折れてしまいました。
折れた部分が特殊なプラスチックのようで修復が難しそうだったので、ホームセンターに代用品を捜しに行って見つけたのが、「黄色いダボ穴空けの補助器具」でした。

貫通した穴あけは、やはり貫通する側にしっかり「あていた」をしないと下の図の右側のような穴あけ状態になります。
キレイな穴を貫通させるためにはクランプでしっかり固定するべきかもしれません。
ちなみに左の穴はクランプを使わずに足で押し付けてた場合の穴でちょっと雑な感じになりますが、本当のところは私としてはこの辺のクオリティーでOKな感じなんですが、周囲が許してくれません。左の穴を目指します。

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実際の作業状況その2

前項では、穴あけ部分が100ヶ所以上になるため、素材のテストで練習もかねて行いました。
今回のテスト内容は、

基礎構成部分の側面、中央、天板、底板の切り出しおよび、ダボによる「板の平行2枚あわせ」

です。
これは、現在も使用中のテーブルの天板のグレードアップの応用に役にたつのではないか?と思っています。

基礎構成部分の側面、中央、天板、底板の切り出しおよび、ダボによる「板の平行2枚あわせ」に新しい器具を試してみる

板の平行2枚接合は、ダボやビスケットで板を接合することが一般的で、素人の私にとってこれまで敬遠されていた部分でした。
一番の理由はドリルで正確な垂直な穴あけがかなり難しく、かなり高いハードルであると認識していたからです。
ところが、今回偶然ホームセンターで見つけたダボ穴あけの補助具は、板の真中に穴を正確に空けることが出来ます。私のまだ経験が深いとはいえないDIY経歴の中でカルチャーショックな出来事の一つでした。

ちなみの、この器具は、6ミリ、8ミリ、10ミリのドリルに対応しています。
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今回は中間の8ミリダボを採用しました。

8ミリダボはちょうど鉛筆の太さでした。

理由は1×4材に対して6ミリでは頼りなく、10ミリではやりすぎの感があったからです。また、今回気付いたことですが、8ミリ穴はちょうど鉛筆の太さです。棚板の支えにもダボを差し込んで代用できるわけです。なお8ミリダボは長さ40ミリを統一して全てに利用しています。
ダボについての適切な太さ深さは今後研究、情報収集して押さえておきたいと思っています。
今のところは不明です。
誰か規格的なものを知っていたら教えて欲しいものです(笑)。

下の図は片側の180cmの縦柱にダボ穴を空けが終わり、もう一つの接合するべき板にダボ穴を空けようとしている所です。

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作業場はいつも、ウッドデッキ上です。一応屋根がありますので「半天候型」作業場です。
ポイントは、必ず実際に穴を空けた部分に対して、しっかりもう一つの板を現場合わせして穴を空けるのが鉄則です。
最初から両板ともマーキングして作業を行なうと、私のような素人の場合、失敗する確立がかなり高いと思われます。

下の図はダボ穴に木工用ボンドを流し込み、まさに接合しようとしている板(上)と、すでに接合してクランプで固定している板(下)です。

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ちなみに縦柱は5ヶ所、棚板は2ヶ所でのダボ接合となっています。
最初の1組は一通り木工ボンドで接合とクランプ固定まで行ないましたが、残りの4組は仮止めの状態まで確認して次の板に取り掛かり、後から一気にまとめて木工ボンドで接合し、まとめてクランプで固定しました。

実際の作業状況その3

前項までに横板3枚、天板1枚、底板1枚、棚板10枚が出来上がりました。
次は棚板を支えるためのダボ穴空けです。
出来上がった板はそれぞれ軽くサンダーがけをしました。

棚板をダボで支えるための、基礎構成部分の側面中央の穴あけをする。

今回の本棚の棚は4本のダボによって支えられます。
いろんなパターンを検討しましたが、8ミリにしました。
8ミリ穴はちょうど鉛筆の太さであるため、ダボがなくても代用が可能になります。
今回10枚の棚板を使用しますが支える分だけですでに40本のダボが必要になります。今回80本のダボを用意しましたが、これまですでに45本使用してしまい実際は5本足りない状態でした。
実はこれは「想定の範囲内(笑)」で、我家には4cm弱の短くなった鉛筆が捨てられずにごろごろしていました。
この鉛筆はもちろん接合には無理があると思いますが、棚板の支えには使えるのではと考えていました。

ダボの穴はともかく、「正確な垂直の穴」であることが最低条件です。
横板の穴は下の器具を「またまた利用」しました。今回とても大活躍したMVPものの器具です。

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本当は垂直に穴をあける治具がもうひとつありましたが、破損してしまい修復修理をどうするか検討中でした。
上の器具はある程度手で押さえて、一旦しるしの目標に穴があくと、ほぼ垂直に穴をあけるのをサポートしてくれます。
穴あけは200箇所以上に及ぶので、どうしてもこのような器具に頼ることになります。
どんなに上手い人であってもドリルオンリーでは狂いが出るのでは?と思います。

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しつこいようですが、注意しなければならないのは、お決まりですが、クランプで反対側に「捨て板」で押さえをしておかないと、穴が貫通した場合に、下の画像の右側のように「キレイではない穴」になってしまいます。

200箇所以上の穴を開けるのは、とても面倒で、つらい作業でした

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200箇所以上の穴を開けるには、クランプでいちいち留めるため、とても面倒で、つらい作業でした。
途中から「捨て板」を敷いて、クランプで留める代わりにしっかり体重を足でかけて押さえて穴をあけていきました。
これで上手くはいくのですが、床に置いて作業を行なうと、私の場合腰がとても痛くなりました。かなり腰に負担がかかります。
この本棚は、気に入っており、今後数台量産を予定しているので、作業台のような高さのところで上手く処理する方法を検討する必要があるようです。

基礎部分を設置現場で組み立てて調整を行なう。

前項までに基礎的な部材の作成と穴あけが終了し、いよいよ現場で基礎部分の組み立てを行ないます。
その中で、「棚板だけはすでに完成品」なのですが、
棚板についての記述を忘れていたため、以下記述します。

棚板は以下の画像のように2つのダボで接続しています。

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強度的な部分で不安が残りましたが、実際に組み立てて一番重い雑誌群を棚いっぱいに載せたところ、何の問題も起きませんでした。

頑丈です。8ミリダボは横からの力にかなり有効なのかも知れません。
ちなみに載せた雑誌は、
厚さ1cmで21×26cmの雑誌75冊で、私でもとても持つことの出来ない相当な重さになります。
ダボの接地間隔は端から18cmのところで必要であれば1~3本増やそうかと覚悟していたのですが。幸いなことに杞憂でした。

ちなみに、ダボの穴あけ治具は正確に板のの真中に正確に、しかも垂直に穴あけができるため、板の組み合わせの工夫次第で多少の板の曲がりが矯正できます。

基礎部分を設置現場で組み立てと調整

恥ずかしながら、私が利用する木材はいつも2級以下だと思われます。
実際に「2級」とスタンプインクされているものもありました。
これはおそらく、「まっすぐでない」とか「節が多い」とか、ということの表示なのかもしれません。
私はこれまでの木工DIYで、このあたりをかなり思い知らされてきたので、多少の曲がりなどの誤差は、クランプなどで力ずくで矯正対応してきた経緯があります。

しかしながら、今回はあまり誤差が許されない本棚なので、基本的な部分は現場合わせできちんとやらなければならないと認識していました。

通常は本体を作成し、それに合わせて棚板を作成するのが「王道」なのかも知れませんが、
私の場合は、まず、棚板をきちんと均等なものに作り上げてから本体をそれに合わせた形にする、とういうことにしました。
つまり、棚はランダムに自由設定されなければならないので、そこを重視することが今回の重要ポイントと思われたからです。

しかしながら、下の画像は仮に組み立てている所ですが、組み立て済の棚板をあてがっていません(笑)。
実はこの時、棚板はダボで接続後、接着剤が乾くまでクランプ固定していたため、棚板に組み立てる前のまっすぐな板をガイドにしています。

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頭の部分と足の部分をしっかり確認して、コースレッドをネジ込んでいきます。
大事な大事な注意点は横柱の基本部分の接続は、端の部分から約9ミリのところでネジ留めをするので、必ず下穴あけが必須です。
これは、最初の検証段階ですでに気がついていたことです。下穴があいていないとほとんど確実に板が割れて泣くことになるでしょう。

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幸いなことに、この時点でABS樹脂の接着に対応した襲撃に強い接着剤を入手し、「垂直穴あけ器具」が復活していたのでスムーズに対処することが出来ました。
ちなみにこの器具、はっきり言って高い(5000円程度)ですが型落ち品(旧型)は半額でした。もちろん私はこれを以前、半額以下で入手しました(笑)。違いはドリルビットのワンタッチ対応だけのような気がします。。。。
あと、余談ですが、垂直専用の穴あけ機器(ドリル機能標準装備)があります。これも安いのは5000円ほどであるようなので考え方によってはこちらのほうが、ぐーんとお得かもしれませんね。

下の画像は基本部分の完成と設置です。
背中側の横板2本は1×2材です。転倒防止のためコースレッド4本を壁にねじ込みました。
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完成・実際の使用感と今後について

下の画像は完成図になります。
今回の総作業時間は、下の荷物の配置まで含めて概ね5時間程度でした。
慣れてくればもっと早くできるのではと思っています。
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棚は8ミリダボ4本で支える仕組みになっています。
ダボがない場合は、下の画像のように鉛筆でも代用できます。
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棚板用のダボ用の横穴については、自宅で私が使用している市販の本棚の穴の感覚を参考にして、
下図のように3cm刻みを3連続あけて15cmの間隔を空けて続けて、3cm刻みを3連続の穴あけという
パターンにしましたが、

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娘の使用状況とかなり違いがあるようで、穴あけの追加をしなければなりませんでした。
もっと細かく棚の配置パターンに対応するならば、3cm間隔か5cm間隔でまんべんなく穴あけをする必要があるかも知れません。

いずれにしても、振り返ってみると、この棚板支えのための穴あけが一番きつい作業であることは間違いありません。途中でめんどくさくなって投げ出したくなります。
ですから、この部分は今後の量産?のための「課題」です。

穴あけで、捨て板を反対側からクランプで固定する場面で、一つヒントになるかも知れませんが、このあとの時期に作成した「簡単窓際カウンター」のときに購入したクランプがかなりスグレモノなので紹介しておきます。

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価格は左が税込み698円で右が367円です。レバーをにぎにぎするだけで簡単に締め付けが出来るスグレモノです。これまで使用していたのが以下の画像のタイプで、

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780円でしたのでまだ購入されていない方は絶対おすすめですね。締め付けの強さは698円のもと以前からの780円のものがほぼ同等な気がします。かなり強いです。小さいほうもそこそこです。

今後また、次の本棚を作成する段階で何か工夫・改善する点があった場合は、また報告させていただこうかと思っています。

 - 棚など

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