ど素人おじさんの報告書WP

悲しいかな、我々「おじさん」の世代はかなりヤラレっぱなしのキビシイ状況が続いています。 しかしながら、まんざらすてたもんでもない部分も多少なりともあるはず。

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七年振りに丸ノコを使おうとしたら全く動かない、という依頼を受けました。。。概ね原因の目処はついていたんですが。。。

      2023/06/06

こんなサイトを運用していると何でも出来ると誤解されます。

顔見知りやお得意先から時々依頼が来るわけです。大抵は丁寧にお断りしていますが、世のしがらみでなかなかそういう訳にもいかない場合があります。最近は特にノートPCの不具合の依頼が多くて(特に液晶パネル破損)参ります。安易に一度引き受けてしまうと、噂が広がります。そして他の方々に対して依怙贔屓感が出てしまい交友関係に支障が出てくる場合が。。。。。。

今回は30年ほど前から大きなウッドデッキを作り数々の木工を中心としたDIYをこなしている方からの依頼でした。私も20年ほど前ウッドデッキを作り始め丸ノコを2週間ほど貸していただいた方でしたので、無下にお断りするわけにはいきません。しかもその丸ノコは私が少なくとも300本以上の切断に利用させていただいたものでしたから。。。。

依頼人からさらにお話を伺うと
最近は大物のDIYの切断はテーブルソーを使い、他は充電式のジクソーでやや細かいDIYをこなすことが多く丸ノコの出番は全くないとのことでした。今回は植え込みの木の伐採を大量に行ったそうで、引き取り業者が50Cm以内の枝でないと回収しないということなので、この後処理が野外作業なので丸ノコを引っ張り出したら動作不能になっていた、ということでした。
やや急いでいる状況のようです。

依頼人にカーボンブラシのことを訊ねると、「固着して外れない」ので深追いをやめたという旨でした。ちなみに、替えのカーボンブラシはないということでした。該当品番不明で、しかも取扱説明書もないとのことでした。

不具合のある機器がそこそこメジャーなメーカーである場合、取扱説明書や展開図(設計図みたいなもの)が入手できます。これらのはNET上やホームセンター、あるいは製造販売メーカーから入手することが出来る場合がほとんどです。ただし、製造販売メーカーから窓口を介して入手する場合「素人」は門前払いになるケースがほとんどなので、「業者風」になりすましてやっと手に入れることが出来る場合もあります。

丸ノコの確認をする。

お預かりした丸ノコは全く動かない状況でした。
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画像では判りにくいですが、機械の品番や製造年、シリアルナンバーがボディーに記されています。
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丸ノコの型番はリョービのW652APSで、1998年9月製造の刻印がされていました。
190mmの72Pのチップソーが装着されていました。
このモデルの取扱説明書と展開図はネット上で入手可能です(2020/11/28現在)。
発売当時の価格は不明ですが、2020年11月の各種オークションでは2,500~5,000円で落札されているようでした。

ちなみに適合カーボンブラシの型番は取扱説明書に記載はありません。しかし、色々調べていくと、該当型番はリョービ 6541367 711SV1で価格は約750円ということがわかってきました。

リョービ(RYOBI) カーボンブラシ(2個入り=1個) 711SV1 6541367

丸ノコのように電動モーター系の機器が作動しない場合、私の経験上ではカーボンブラシの不具合が原因がほとんどでした。それらの電動モーター系の機器とは、サンダー、ドリル、丸ノコです。

先刻、依頼人の申告通りモーターブラシは抜けません。固着しています。無理やり引き抜くと破損の恐れがあります。
取扱説明書には、簡単に取り外しが出来る旨の記述があるのですが。。。。。

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分解して内部から押し出すなりするしかありません。

対応

安全のため丸歯を取外しておきます。10mmのスパナが適合します。
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展開図によると、下画像の赤丸2ヶ所のネジを外すだけでモーター部ボディーが外れます。
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固着してナカナカ外れないので、マイナスドライバーを潜り込ませて外します。
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カーボンブラシ出現です。
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マイナスドライバーで圧を掛けますが、ビクともしません。あまり深追いするとカーボンブラシが欠けてしまいそうなのでやめます。

潤滑剤を流し込みます。お馴染みのKURE 5-56です。ホームセンターなどで300円以内で手に入るものです。
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カーボンブラシにマイナスドライバーで圧を掛けると、一つだけは動き出しました。
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しかし、まだモーターブラシは引っ張り出せません。

潤滑剤を追加注入して竹串を差し込んでハンマーで叩きます。
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内側からマイナスドライバーで押し返し、外側から竹串でハンマーで押し返す、の繰り返しを数十回。最後の竹串も折れてしまいました。仕方がないので、電動ドライバーの3mmビットをおしりの部分から差し込んで対応しました。

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ようやくひとつのカーボンブラシは何とか取り出せました。
しかし、カーボンブラシの一部が欠けています。モーターシャフトの部分ではないので支障はないでしょう。
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カーボンブラシの消耗の限界値はまだまだ余裕があります。
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しかし、もうひとつのカーボンブラシはなかなか取り出せません。もちろん内部からのドライバーの圧も外側からの竹串攻撃でもビクともしません。
ドライバーのビットの打撃による破損のかけらが出てきたので、ここで方針変更です。

運よく取り出せた側のカーボンブラシの穴から、内部からワリバシ貫通攻撃です。
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これは効果ありでようやくく外れました。

こちらのカーボンブラシもまだまだ使えそうです。

あとはカーボンブラシ装着内部を潤滑剤とティシュできれいに清掃し、カーボンブラシがシャキシャキ動きスムーズな取り出しができるのを確認し組みなおします。

ただし、組直しの注意点は、カーボンブラシを外した状態で組み立てて一番最後にカーボンブラシをセットしなければ組み立てられません

組み立て後、動作確認はOKです。
念のため2✖4材を5回切りましたが問題ありません。

丸ノコは強力ですね。久しぶりなので怖いです。
2✖4材ならおそらくジグソーの3倍以上の速さで切断できるような気がします。

念のために依頼主に今回の作業経緯を説明し、必要であればご自分でカーボンブラシを交換して頂くようお願いして丸ノコを返却しました。

以上、
ご参考にされる方はあくまでも自己責任でお願いいたします。

 - DIY, 番外DIY

Comment

  1. あさひや より:

    大変参考になりました。ありがとうございます。

    • ど素人おじさん より:

      あさひや さま
      コメントありがとうございます。
      掲載記事が少しでもお役に立ったならばこの上ない励みとなります。
      なぜか、このところモーターブラシのトラブルに遭遇することが多いです。
      たいがいは、難易度が低いのですが、今回は特別でしたね。
      これからも、よろしくお願いいたします。

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