木の実の穴あけ器の折れた針の補修
2018/03/08
お取引先様である保育園の経営者さまから、
「この機械の針が折れたんだけどどうにかならないかしら?」
と差し出されたのがこれです。
「木の実の穴あけ器」というドングリなどに穴をあける器具です。
保育園ではかなり便利な道具として長年活躍していたようです。
針の部分を確認。これは素人では無理かも。。。。
分解して、問題の部分を確認します。
これは、素人ではとても無理な感じです。
機器の供給元へ修理対応や部品の確認をするも。。。。
この器具は、箱の印字からから株式会社アートテックという会社が販売しているようでした。Amazonにも過去に出品されていたようですが、現在は画像はありますが取扱されていないようです。
楽天市場では3,557円+送料1,000円で出品されています(2018/3/1現在)。しかし、出品されている店舗アート倶楽部T&Mから購入不可能です(2018/3/1現在)。店舗改装中と表示されます。やれやれ。
他のタイプもありますが、6,000円~7,000円プラス送料といった価格帯でした。意外と高価なんですね。
株式会社アートテックさまの連絡先を調べて連絡し、修理の相談をしました。
しかし、現在アートテック社では取り扱いを終了し、修理も対応していないとのことでした。
「急がないから、何とか対応して」と経営者様はおっしゃいます。
修理不能かも知れないことを前提に、とりあえずこの器機を私は預かることにしました。
ヘタDIYをやっていることが知れるとこういった依頼が時々やってきます。
自分で修理をすることは無理な話だと感じていたので、職人さんを含むいろんな所に事あるごとに相談したのですが、軒並み断られました。やれやれ。職人さんは基本的に1万円以下の例外的な仕事を嫌がります。
そういうわけで、ダメ元で再起不能になるかもしれないことを前提に対応することを保育園の経営者様に了解をもらい、作業を行うことにしました。
まずは、針のサイズ確認です。
埋まっている部分を除いた針の部分は35mmでした。
次は折れた針の根元を抜く作業です。
かなり悩みましたが、とりあえず力ずくで抜くことにしました。
またもやロッキングプライヤの登場です。
今回は2個使いです。小さいのは100円ショップで以前購入したものです。
強引にひねり回しながら抜きます。かなりの力が要ります。
最初は、針の側に小さなロッキングプライヤを使っていましたが、全くダメでした。
そこで針の側を大きなロッキングプライヤにすると針が回り始めました。
ようやく、ぐりぐりと回して抜くことに成功しました。
しかし、もう、ヘトヘトです。辞めたくなりました。冬なのに汗だくです。
気を取り直して、針の全長確認です。
針の全長は50mm。ということは埋まっているのは15mmということになります。
次は、針の入手ということでホームセンターにGOです。
針の入手とその他の備品の購入
ホームセンターで係の人に相談してまずは針の太さを精密ノギスで計測してもらいました。
撮影禁止なので画像はありませんが、オリジナルの針の太さは2.0mmでした。
ということで、太さ2.0mmで全長約50mmの丈夫な針を探しますが見つかりません。
どうやら、丈夫な針の世界は2.2mm以上が前提のようです。
ということは、針の受け具の穴を広げることは必須です。
かなり悩んだ挙句、下のものに決めました。
埋め込み10mmmで針の加工なしで行けるからです。
小型ルーター用の細工用のやすりです。価格は256円です。
Amazonでも購入可能なようですが、割高です。
いつもAmazonが安いとは限りません。
SK ダイヤモンドインターナル 円錐 C4
それから、100円ショップに立ち寄り、針の受け具の穴を広げるためのドリルビットを購入しました。
2.2mmです。
針の受け具の穴を徐々に広げて収める作戦です。
本作業開始。そしてようやく完成へ
最終的に近い部分に来たときは、ドリルの力を借りて無理やりねじ込みます。
受け具が熱を帯びて熱くなります。
こんなことを、慎重に進めたので30回以上を繰り返しました。疲れます。
で、針の部分が35mmあたり飛び出すところまで押し込んで完成です。
動作確認に、いろんなものを試してみましたが良好な感じです。
あとは、保育園の先生に使ってもらって評価を頂くだけですが、どうなるんでしょう?
幸い構造上、事故になることはないような気がします。
まぁ針が折れても、次の代用品は2.2mm位のものがいろいろありそうだし、対応は今後は容易いかも知れません。
参考にされる方は、あくまでも自己責任でお願いしますね。